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その他の意見

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次に、記名のあった回答者の中からケアヘの反応が異なる例を紹介する。
事例1 女性、67歳
死別者との関係 患者79歳男性の妻
患者の入院期間 1994.10.6〜1995.2.5 111日間
ホスピスを選んだ人 妻
経過
死亡まで:お互いに離婚を考えていた。患者は妻に攻撃的な口調。
妻の面会少ないが、スタッフの働きかけで面会増える。
死亡時妻は間に合わなかったが死亡後のケアに参加する。
死亡後:現在一人暮らし。当院で患者の誕生日を祝ったときの写真や、夫婦一緒の写真を飾る。当院からのカード・ハガキを飾っている。
当院へ今後望むことスタッフ一人一人にお礼が言いたい
カードヘの返信 1週間後、1か月後、2か月後
Mサービスヘの出欠 出席

 

事例2女性、67歳
死別者との関係 患者65歳男性の妻
患者の入院期間 1993.11.9〜1993.11.20 13日間
ホスピスを選んだ人 患者・家族
経過
死亡まで:夫婦ともに絵を描き、2人で個展を開くことも考えていた。入院中は音楽を聴きながら過ごすことが多く、ホスピスに来てよかったと話す。患者は死亡前家族にありがとうの言葉を残す。
死亡後:2年間は、夫のことばかり考える。家族が心配し当院からのカード・ハガキなどは始末してしまった。3年が過ぎ当院のことを思い出すのを楽しみとしている。
当院へ今後望むことまだ来院する勇気が出ないが、自分も癌になったら入院したい。
カードヘの返信1か月後、6か月後、9か月後
Mサービスヘの出欠 欠席(前日にキャンセル)
事例3 男性、60歳
死別者との関係 患者65歳女性の夫
患者の入院期間1993.12.21〜1994.2.27 69日間
ホスピスを選んだ人 患者
経過
死亡まで:患者は家族に迷惑をかけたくない、弱味をみせたくないと家族の面会を拒否。それに戸惑う夫に定期的面会を促す。病状進行に伴い家族を求めるようになり外泊を繰り返す。死亡時家族に見守られながら死亡。夫は「苦しまない最後でよかった」と冷静に受け止める。
死亡後:日々の生活に妻を思い出す。やっと気持ちの整理がつきつつある。
当院へ今後望むこと 病院との距離を持ちたい。今後はそっとしておいてほしい。
カードヘの返信 1か月後、6か月後
Mサービスヘの出欠 出席

 

 

 

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